新年度が始まり、1か月が過ぎますね。
やっと慣れてきたと思ったら、長期の休み。
ここからエンジンあげて行こう、と思った矢先、お休み。
やっと、1か月過ぎた…
時間の感じ方は相対的であることを感じる出来事の一つですね。
ちなみに私は、濃度の濃い1か月を過ごすことができ、これが1か月の中にあったのか、と思うくらい充実した1か月となりました。
15年近く、研修やセミナーの運営責任者として、多くのセミナーや研修やイベントに携わらせていただいて来ました。
そこで、イベントやセミナーの規模や研修の形態によって、様々なLeadershipを学んで創ってきました。
前回は、一般的にリーダーに必要とされる「決断力」を養う前に、Leadershipをとるためには、“大前提”として知るべきことがある、ということを書きました。
今回からは、シリーズに分けて、その“大前提”を知らないばかりに翻弄されてしまうリーダーの苦悩から、どのようにそれを解決できるのか、の方向性までを書いていきたいと思います。
Leadershipをとる上で、これからの時代、知らなければならない必須項目となるのが、
「観点(判断基準)の問題」
です。
このことに気づかずにとってきたLeadershipは大変だったと思います。
・方向性を示したら、メンバーのMotivationが下がって、ケアすることが大変だった。
・決定事項を共有したら、反対意見が出て、まとまらなかった。
・言われたことはやることはできるが、新しいアイデアや意見を求めても出てこない。
・年齢・世代が違いすぎて、考えていることがわからない。
・マニュアルがないと仕事ができない。自分で考えて実践できない。
・自分の意見に固執して、こちらの意図を聞いてもらえない。
など
何かしら心当たりはあるのではないでしょうか?
年齢・世代でも大きく当然とされていることが変わってきます。
そこからくる意見の食い違い、考え方の大きな相違が生まれてきます。
だからと言って、「年齢・世代が違うから一緒に仕事はできません」とは言えませんよね。
むしろ、育てていかなければなりません。
本人の主体性、能動性、やる気からくる育成が必要になります。
実は、人と人とのコミュニケーションやTeamplayには矛盾が溢れているのです。
それが生まれる背景に気づけるかどうかで大きく変わってきます。
それが、Leadershipには必須条件となる「観点の問題」を知ることなのです。
実は、その観点があるというだけで、起こる問題のパターンがあるのです。
そのことを整理すると次のように言うことができます。
<観点の6つの対称性の問題>
①観点の非認知と認知の問題
②観点の異質性と同質性の問題
③観点の流動性と固定性の問題
④観点の他発性と自発性の問題
⑤観点の否定と肯定の問題
⑥観点の不完全性と完全性の問題
今日は、その中の②「観点の異質性と同質性の問題」について、書いていこうと思います。
Leadershipをとる際に、一番多く起こる問題は「異質性と同質性」の板挟みではないでしょうか。
みんな持っている観点は違います。
それによって、意見の食い違いや考えの相違が生まれます。そこでどちらの意見が正しいのか、優位なのかを図ってしまいます。
それによる衝突を解決しようとして、1つの観点に合わせるようにするのです。
今までの歴史はこの問題をなんとか解決しようとしてきた歴史であるとも言うことができます。
昔は、王様の権力によって、暴力を使って恐怖を与えながら、王様の観点に合わせるようにしてきました。
民主主義革命から、個人主義に入ってきた時代では、財力によって、バラバラの観点に秩序を持たせようとしてきましたし、法律などルールを創って従うようにさせてきました。
現代、財力や軍事力では秩序を保つやり方では通用しない時代になってきています。
なぜならば、インターネットで世界中とつながることができるようになり、いろんな人の意見が自分の意志で手に入るようになっています。
自分の興味があるコミュニティに入れば、自分だけの意見が間違っていないと思えることもあります。
手に入れられる知識量にも差が生まれてきます。
欲しい時に欲しいだけ知識を得ることができます。
それがネット時代の大きな変化になるのではないでしょうか。
また、VRなどの拡張現実が人間の考えの範囲を狂わせていることも視野に入れなければならないでしょう。
そんな一瞬で現実を離れることができる世界が生まれて、現実空間にしか適用できないもので、秩序を創っていくことは不可能に近い時代になっているのではないでしょうか。
今の時代にLeadershipをとる人は今までのやり方では全く歯が立たない、そんな新しい時代環境になってきていることも同時に考えていく必要があるのです。
人間が住む環境、社会、海が変われば、人間の生き方、人間の在り方が一気に変わってしまいます。
目の前の人間だけをみていて、人が理解できるほど単純な世界ではないのです。
少し、横道にそれましたが…
そのバラバラの観点に振り回されて、ストレスやプレッシャーも蓄積されている方もいるかもしれません。
バラバラだから問題を創ると思って、1つの観点に従うように同じにさせても問題は解決しません。
ロボットの様に画一化されてしまいますし、独裁的なリーダーになってしまうからです。
何よりも個性がつぶされてしまいます。
リーダーが決断を下すための材料の供給がなくなってしまうのもこの同質性の問題からです。
その人の持っている観点はその人からしかみえないのです。
無限大の意見が欲しい時には、1人ひとりの観点が宝です。
その観点を一緒にしてしまうというのは、何よりも問題です。
なぜ、そんな観点を生み出すようになっているのか、の背景を知れば、同一にしようとするLeadershipにはならないはずです。
観点の異質性と同質性の問題。
どちらに傾いても問題解決にはなりません。
ヒントは、アインシュタイン博士の残した言葉
『いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできません』
(アインシュタイン150の言葉より)
にあります。
今回は、②観点の異質性と同質性の問題について書いてきました。
Leadershipをとる場面以外にも思い当たる節があるのではないでしょうか。
今からの時代、どんなことをするのにもこの「観点」については知るべきことの必須項目になってくるくらい重要な要素を持っています。
気づいた今から、ぜひ知ってみてください。
絶対に「知らなければよかった」ということにはなりませんので。
次回以降もこの<観点の6つの対称性の問題>について書いていきたいと思います。
新しいLeadershipについて一緒に考えていきましょう。